心療内科や精神科への受診をためらう人は今でも少なくありません。
ストレスやメンタルヘルスに関する情報はかなり普及してきましたが、今でも、外からは見えない心の痛みや症状を抱えていることを他の人に打ち明けることには様々の困難がつきまといます。
こころやからだが痛むのは自分が弱いから?
「ストレス社会」という言葉はすでに耳慣れたものになりましたが、自分がさらされているストレスがどのくらい深刻なものか、一人で判断することは難しいものです。仮に処理できないほどのストレス状態に置かれていると自覚しても、それは自分が弱いせいではないか、誰かに相談したからといって消えてなくなるものでもない、などと私たちは考えがちです。
「悩むこと」は必ずしも病気ではないけれど
友人とうまくいかないとか、職場で上司から理不尽に罵倒されたとか、あるいは夫(妻)と家庭内別居状態にあるというようなつらい状況を他人に話すのは、自分は悪くないと思っていても、どこか恥ずかしいような、屈辱的な感覚を私たちに抱かせます。
どういうわけか私たちは、自分の「弱み」を他人に知られることにおびえてしまう。
自分にとって大切な友人や恋人にはなおさら相談できない。こんなこと言ったら嫌われてしまうのではないか、そんな悩みみんな持ってるよと一蹴されてしまうのではないかなどと思ったら、怖くてとても話すことはできない。そんな日が何日、何週間と続くうちに、私たちの心は外からのストレスの圧力だけでなく、内側からも侵食されていきます。
悩むことそれ自体は病気ではありません。むしろ様々な悩みごとに自ら取り組み、乗り越えようとする努力の中でこそ、私たちは成長していきます。けれども一人で解決できない悩みごとを長く抱えているうちに、寝付けない、寝付いても途中で何度も目が覚めてしまう、食欲がなくなりひと月で体重が5キロも減った、いらいら感がおさまらない、気が滅入って気力がわかない、生きていく意味がわからない・・・などのつらい心身の状態が生じてくることがあります。こうした状態に陥ったら、あるいは陥りそうな気配を感じたら、どうか一度は受診してみてください。
自分の健康状態はなかなか自分だけでは測れない
たしかに、私たち心のケアに携わる職に就く者が、悩む人の実生活上の悩み事 ― 職場問題とか、友人関係、夫婦関係、親子関係上の様々な問題や葛藤を直接解消できるわけではありません。けれども、悪循環に陥った心身の不具合をいくぶんでも回復させ、錯綜した問題点を整理し、取り組むべき課題の優先順位を検討するお手伝いはできます。「他人に話す」ということ自体、抱いていた悩みや心配の実態を自覚することを通じて、取り組むべき対象を明確にするためには有用です。ときには休学や休職のための診断書を提出し、しっかりと時間を確保して心身のゆとりを取り戻すことが何より大切になることもあります。
自分が今どのような健康状態にあるか、どういう経過でこのような状態になったのか。まずそれを明らかにするために、私たちは今日もお話をお聴きしています。
心療内科、精神科
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