2022.02.07
精神科や心療内科を訪れる患者さんの大多数は、何らかの睡眠の問題を抱えています。厚労省のHPを参照すると、「不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1か月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する」状態とされています。不眠は、ストレスや心身の病、薬の副作用などさまざまな要因によって生じ、それらの要因に応じた対処が必要です。
注意しなければならないのは、何かの偶然であまり眠れなかったときにも、「これだけ眠らなければ健康を害してしまう」とか、「最低6時間眠らないと明日の仕事に差し支える」などと「健康維持に必要な睡眠時間」を自分で想定して、「睡眠ノイローゼ(睡眠恐怖症)」のような状態に陥る人も少なくないということです。人(動物)は断眠状態が続けば、いつかは必ず眠るものですが、「これから寝るのだ」と自分で決めても、他人にそう命令されても、すぐに眠れるというものではありません。「早く眠らなければ」と思うほど、目が冴えてしまい、朝方になって疲れ果てて眠り込み、朝起きが難しくなるという悪循環を避ける工夫が必要です。格別のストレス状況に陥っているわけではなく、睡眠以外の心身の症状が現れてもいなければ、「眠れなくて死ぬ人はいない」とか、「眠くなったら眠ればいいさ」といったようなアバウトな考えをもつよう心がけた方が、眠りは訪れやすいものです。
さまざまの自己対処法が知られていますが、項目を列挙しますので、こちらも具体的には厚労省のHPを参照していただけると、わかりやすい説明があります。